お里帰りした“まぼろしの国宝”を東京国立博物館の特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」で見て想う

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東京国立博物館平成館にて開催中の特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」を見てきました。 9:30~の開館で 11時頃が一番混雑すると聞き  10時少し前に行きましたが 平日にもかかわらず かなり混んでいました。 

日本の美術品10万点を収集しているボストン美術館は 日本美術品のコレクションとして世界一の規模と質を誇っており 今回の特別展では その中から厳選された70点の仏像・仏画・絵巻・水墨画・絵画・織物・刀剣が次の如く分類されて展示されていました。

     1. プロローグ コレクションの始まり
     2. 仏のかたち 神のすがた
     3. 海を渡った二大絵巻
     4. 静寂と輝き 中世水墨画と初期狩野派
     5. アメリカを魅了した日本の技―刀剣と染色
     6. 華ひらく近世絵画
     7. 鬼才 曽我蕭白

ボストン美術館の日本美術品収集は フェノロサと岡倉天心とビゲローによって始められており 収集された美術品が質の高いものばかりなのは 3人の履歴(以下)から分かります。

* アーネスト・フェノロサ(1853~1908)は 明治11年(1878) 明治政府のお雇い
  外国人として来日して日本美術に関する造詣を深め 明治23年(1890)に
  帰国後は、ボストン美術館日本美術部長として日本美術をアメリカで広めることに
  取り組む。 フェノロサによる日本美術品の収集は1,000点以上に及び、今回の
  特別展で展示された「平治物語絵巻」や尾形光琳の「松島図屏風」などは第一級の
  名品とされる。
* 岡倉天心(1863~1939)は 日本におけるフェノロサの弟子で フェノロサとともに
  東京美術学校の設立に関わり 明治37年(1904)にボストン美術館に迎えられ、
  中国・日本美術部長として 東洋の美術品を体系的に収集した。
* ウィリアム・スタージス・ビゲロー(1850~1926)は ボストンの医師・資産家で 
  明治15年(1882)に来日し、フェノロサと共に日本美術の収集に情熱を傾けると
  ともに、日本文化に心酔し、天台密教に改宗して月心という法号を得た。 
  帰国後は長らくボストン美術館の理事を務め収集した日本美術品約41,000点の
  中には今回の特別展で展示された傑作・曽我蕭白の「雲龍図」を含む。


特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」を見ながら 何故このように多くの貴重な日本美術品が海を渡ってしまったのか ショックを感じましたが 明治維新後の混乱と廃仏棄却などの影響で 多くの美術品が壊されたり、売られたことを考えると フェノロサと岡倉天心とビゲローの3人は 貴重な日本の美術品を流出させた“犯人”というより 散逸から救った“恩人”と言えるのではと思いました。

東京国立博物館の特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」は 6月10日まで開催されますが 目玉の「平治物語絵巻」と「六波羅行幸巻」の展示は5月27日までなので 要注意です。
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